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  • 執筆者の写真田中亜弥

摂食障害とは②~摂食障害になりやすい人と克服方法~

 摂食障害は治る病気だというお医者さんもいれば、改善や寛解はできても完治は難しいというお医者さんもいます。

 私も摂食障害を克服しましたが、もう何も気にせず食事と向き合えるかと言われたら嘘になります。ストレスが溜まると食事で発散したくなる気持ちや衝動は今でもたまにあります。そのため、以前のような症状に陥らないように、自分のことをよく知り、対処する方法を知っておくことはとても重要です。

 そこで今回は、摂食障害になりやすい人、そして発症した後の向き合い方についてお話していきたいと思います。


1.摂食障害になりやすい人

 今の日本は、ダイエットが日常化し、摂食障害になりやすいと言われています。女性が筋トレすることが一般化し、とにかく痩せていることが正義ではなくなりつつあります。でも、まだまだ「痩せている=美しい、可愛い」という概念は、特に若い女性の中に根付いています。

 環境が原因で摂食障害になる方もいますが、性格や考え方のクセも摂食障害の要因の一つだと考えられています。

(1)拒食症になりやすい人(※1)

・完璧主義で人に頼るのが苦手な人

 例えば、小さい頃はある程度勉強を頑張れば優等生でいられたのが、思春期になって進学校に行って思うように結果が出せなくなった時などに完璧主義な人ほど自分が許せなくなり、そのストレスが原因で拒食症になりやすいと言われています。

・不安が強い人

 拒食症になりやすい人は、努力家が多いと言われています。うまく努力できていれば問題はないのですが、上記のようにそれまで通りのやり方が通用しなかったときに不安が強く出てしまうと、拒食に繋がりやすいと言われています。

(2)過食症になりやすい人(※1)

・自分のことが嫌いな人

 過食症は、自分が嫌いという気持ちが蓄積されていく中で、何かしら大きなきっかけがあると発症すると言われています。例えば、自分の見た目があまり好きではないと思っている人が、誰かに見た目や体型を指摘されたことをきっかけに過食が始まるというようなケースです。そして、過食が始まると、さらに自己嫌悪に陥り、悪循環になってしまうことも多々あります。

 

2.摂食障害との向き合い方

 では、上記のような要因で、摂食障害を発症してしまった人はどのように克服していけばよいのでしょうか。

(1)摂食障害克服のゴール

 摂食障害を治すために重要なのは、日常生活の中で何か問題に直面した時に、食事に逃げないようになることです。誰しもストレスを抱えることはありますが、ストレスのはけ口が食に行かないように、他の対処方法を見つける必要があります。食事へのこだわりが多少残っていても、心身ともに問題なく社会生活を送ることができるようになることが大切です。(※2)

 人は、通常空腹になると食欲を感じ、食事をとり、おなかがいっぱいになると満腹感を感じて食べるのをやめます。しかし、摂食障害になると、この摂食行動を調整している脳内の一部が異常をきたしていると言われています。(※2)そのため、自分の弱さで食事をコントロールできないと思ってしまう摂食障害患者は多いですが、自分一人で解決しようとせず、周りにも協力を求めることが大切です。

 ちなみに、拒食症・過食症が良くなったとされる目安は下記の通りです。

<拒食症の場合>(※2)

・食事が規則正しくとれている

・正常の範囲内の体重をキープしている

・月経がきちんと来ている

<過食症の場合>(※2)

・1ヶ月以上過食しない状態を維持できている

・何かのきっかけで過食しても翌日からは過食せずにコントロールができている


(2)摂食障害を克服するには

 摂食障害は1~2年で治る場合もありますが、多くは慢性化すると言われており、10年20年単位で苦しむ場合が多いです。(※2)それほど簡単に治る病気ではなく、治そうと本人が決心しない限り、自然治癒することはほぼありません。

そのため、他の病気同様、摂食障害になった原因を知り、今の自分の状態を客観視し、対処法を見つけ出すことが重要です。

<克服方法の例>

・自分が摂食障害になった原因を思い返す

 極端なダイエットや、生活環境の変化など食事が思うようにとれなくなったきっかけを思い出し、その原因から食行動だけでなく、自分の性格をも分析し、同じようなことが起こらないような対処法を考える

・食べられない・または食べ過ぎてしまう自分を受け入れる

 不安やストレスを拭う代償行為として過食や拒食が起きているので、ストレスを減らすための解決法を探す

・相談相手を見つける

 異常な食行動(隠れ食いや、口に入れて吐き出すチューイングなど)をしていることを異常だと気づけていない摂食障害患者の方も多く、自分を客観視するためにも摂食障害に理解のある人に話すことは克服への一歩になる

・大きな目標ではなく、小さな目標を立てる

 摂食障害になりやすい人は、完璧主義で自分に厳しい人が多いので、大きく高い目標を立てて、自分を苦しめてしまうことが多い。なので、いい意味で出来ない自分を受け入れ、小さな目標を立て、それを確実にこなし、出来た自分をほめてあげ、自尊心を高めることも克服に近づく一歩である


 摂食障害は治るスピードや治り方も人それぞれです。私も摂食障害だった頃、ありとあらゆることを試し、失敗してきました。その中で1番重要だと感じたのは、食事がうまくとれない自分を受け入れることでした。どこかで食欲すらコントロールできない自分は最低だと思っていましたが、摂食障害はあくまでも病気であり、簡単に良くならないことを理解し、その自分を受け入れることで、まず今自分に何ができるかを考えられるようになりました。今でも私は食事をとるタイミングや内容などかなり気を付けています。これは、生活習慣病などと同じで、病気なので気を付けなければ再発する可能性があるからです。でも、それが分かっていれば、「なんで私はこんなに食事を気をつけなきゃいけないんだろう」と自分を責めることもなく、心身ともに問題なく生活することができます。

 また、完璧主義な部分などなかなか性格を変えることは難しいですが、「あぁ完璧主義な私、今出ちゃってるな」と自分を客観視するようにして、ストレスをため込まないように意識しています。

 自分を知るには、病気を正確に知ることが必要です。1人で抱え込まず、まず話してみることも重要です。ご相談も受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。


<参考文献>

・『焦らなくてもいい!拒食症・過食症の正しい治し方と知識』水島広子(日東書院)※1

・『拒食症と過食症の治し方』切池信夫(講談社)※2


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